豊かな想像力の礎とは

投稿者: | 2015年6月26日

安倍政権と考え方が近い文化人を通し、発信力の強化を目指そうと、安倍晋三首相に近い若手議員が立ち上げた勉強会「文化芸術懇話会」(代表=木原稔・党青年局長)の初会合が25日、自民党本部であった。出席議員からは、広告を出す企業やテレビ番組のスポンサーに働きかけて、メディア規制をすべきだとの声が上がった。
Source: 「経団連に働きかけ、マスコミ懲らしめを」 自民勉強会:朝日新聞デジタル

安保や憲法の問題について、我々も事あるごとに話し合っていますが、それについてはさておき。

がくラボが最も頭と心を痛めているのは、例の国公立大学文系学部廃止の方です。
大学人文系で教鞭を執る方に実態を伺ったりしていますが、全く酷いものです。

その中で、今回のこの「文化芸術懇話会」の話(しかし何故こんな名称なのかにはとても興味引かれます)。
先日流れた「自民の推した学者も違憲判断」との報道でも感じたことですが、ここに来て自民の派手なオウンゴールが目立ちますね。
傍目にも馬鹿馬鹿しい、けど傷の深い失敗ばかりです。

報道を見ている限りでは、前回も今回も、やっちゃってる方々は非常にナイーヴに見えませんか。
実行力も行動力もあるのでしょう。が、想像力と思考力教養が圧倒的に伴っていない。だから、普通「これはマズイだろう」と分かって避けそうなことを、無思慮につるっとやってしまう。そうして大炎上を引き起こす。

私には、そういう彼らこそが、安倍さんの作りたい若者・国民像に思えます。
ビジョンを唱える者の周りに集まる人々は、もちろんそのビジョンに共鳴するからこそ集まりますし、そのビジョンに当たる部分をより強く体現し始めるものだからです。
そして教育の根幹には人格形成がある訳ですので、先鋭化して表現されたビジョンは正にリーダーの望む教育の結果を体現するのです。
ですので、やらかしている議員方を見れば、安倍さんが教育改革において理想とする国民像が具体的に分かると言えるでしょう。

いかがですか?
我が子達が、こんなに愚かな大人となっていくのを喜べますか?
こんなに無思慮な議員達を「立派だ」と思えますか?支持できますか?

教養と思考力、それらに支えられる豊かな想像力の礎を担っているのが、人文系学問です。
私達の「物の見方、考え方、価値観」の根底には必ず、人文系学問の営みが深く大きく流れています。
たとえ自分は文系学部で学ばずとも、です。
私達は、知らない内に、人文系学問の恩恵を日常的に受けているのです。
そうして、人格を形成し、他者と交流し、人生において何事かを成し遂げているのです。
その上で、今日この1日から明日へ、明日から明後日へ…と綿々と続く日々の先の子供の代、孫の代、数十年後、数百年後を創っていっているのです。

今の教育行政には、この視点が決定的に欠けています。目先10年程しか見ていない。
経済も大事です。しかし、めでたく経済が持ち直した頃には、日本人は思想的に骨抜きになっているでしょう。
その結果、その次の数十年後以降には、経済的にも文化的にも深刻な衰退を辿るでしょう。

そんなことにさせてはいけない、というのが、がくラボの主張です。
ですが、少なくとも文科省はもはや聞く耳を持っていない。
正に「憂国」ですが、この現状の中で何をすべきなのか、手探りを続けています。